機械学習での分類とは?
そもそも機械学習とは?
そもそも機械学習とは、コンピューターが任意のデータを分析し、それから学習する技術を指します。
そのため、人間が手を加えることなく、コンピューターが膨大なデータを元に自ら学習し、人間が行うようなタスクを自動的に実行することができます。
この技術はさまざまな分野で活用されており、医療や小売り、ゲームなどで幅広く利用されています。
機械学習での分類とは?
機械学習での分類とは、データを特定のカテゴリーに分類することです。
分類は、教師あり学習の一種であり、データセットにはそれぞれのデータに対応する正しい「ラベル」が事前に付けられています。
そして、コンピューターがそのデータを分析し、そのデータから学習した知識をもとに、新しいデータを正しいカテゴリーに分類することができるようになります。
この分類は、文章の分類、画像の分類、音声の分類など、様々なタスクに使用されます。
回帰との違い
機械学習における教師あり学習のもう一つのタスクとして、分類ではなく「回帰」と呼ばれるタスクがあります。
- 分類:データを特定のカテゴリーに分類すること
- 回帰:データから連続した出力を予測すること
少しイメージしにくいかもしれませんが、分類での予測はカテゴリーに属するか否かの2択で、回帰では連続した数値を予測することができます。
例えば、画像からの犬と猫を見分けるのは、分類タスクにあたります。一方、温度の推移を予測するタスクは、回帰タスクにあたります。分類と回帰は、それぞれ異なるタスクに適した手法なので、使い分けできるようにしましょう。
機械学習で分類できるとどんな良いことがあるのか?
ここまでで、機械学習での分類のイメージがざっくりと掴めたかと思います。
では、機械学習で分類できるとどんな良いことがあるのでしょうか?
機械学習による分類にはさまざまなメリットがありますが、その中でも代表的なものを下記にまとめていきます。
- 大量のデータを効率よく処理することができる
- 人間が分類する際に生じる偏りを回避できる
- 人間が識別できない分類問題も解決できる
例えば、人間の手によって書かれた「名前」を分類するタスクで考えます。
手作業で行うと、大量の文字を分類するのは非常に大変ですが、機械学習を用いれば、大量の文字をスムーズに処理できる効率化が実現されます。
また、人間が分類する際には様々な偏りが生じる可能性もありますが、そのような偏りも回避することができます。
機械学習での分類タスクが活用される場面
先述の通り、機械学習での分類はさまざまなメリットがありますが、どのような場面で活用されるのかについて紹介していきます。
- 文章の分類
- 画像の分類
- 音声の分類
順番に解説していきます。
文章の分類
文章の分類にはさまざまな用途があり、例えば、新聞記事やブログ記事などをトピックごとに分類することで、効率的に情報の整理や収集を行うことができます。
そのため、人間がより効率的に情報を検索できるようになり、知りたい情報をより効率的に収集できます。
また、先ほど紹介した、人間の手によって書かれた「名前」を分類するタスクにおいても、生年月日、郵便番号、住所などがあわせて識別できれば、人間が行う作業が効率化されていきます。
画像の分類
画像の分類にもさまざまな用途があり、例えば、画像検索エンジンでは画像をキーワードごとに分類することで、ユーザーが検索した画像を効率よく提供することができます。
また、多くの人が普段使っているスマホなどにも、顔認証という分類機能が備わっています。
そして、ビジネスの現場においても、工場などで不良品を識別することで、業務の効率化を図っている企業もあります。
音声の分類
最後に、音声の分類が活用される例について紹介すると、音声対話システムなどです。
ユーザーの発言について、意図やニュアンスごとに分類することで、適切な応答を返すことができます。そのため、従業員の対応に役立つ機能となっています。
また、こちらも多くの人が活用している例として、Siriなどの音声サポート機能としても使われます。
上記で紹介したように、機械学習の分類は日常的なことからビジネスの現場まで、さまざまな場面で活用されています。
どれも人間の生活を豊かにしていくための活用例などで、ぜひ理解しておきましょう。
代表的な機械学習の分類アルゴリズムを3つに絞って紹介
ここからは、代表的な機械学習の分類アルゴリズムを3つに絞って紹介していきます。
- 決定木
- ロジスティック回帰
- ニューラルネットワーク
順番に解説していきます。
決定木
決定木とは、特徴量から目的変数を予測するために、特徴量を繰り返し分岐させていく手法です。
そのため、決定木は特徴量の関係性を視覚的に表すことができ、どの特徴量が予測に最も重要かを把握することが容易です。
また、決定木を複数組み合わせる「ランダムフォレスト」や「XGBoost」などといった手法にも応用できるので、汎用性が高いのも特徴的です。
ロジスティック回帰
ロジスティック回帰は、線形回帰と似た手法で、特徴量と目的変数の間の関係を解析するために用いられます。
ただし、ロジスティック回帰は目的変数が2値(0または1)の場合のみに適用され、目的変数が0か1に分類される確率を求める場合に適用できます。
また、ロジスティック回帰は特徴量が複数ある場合でも、複雑な非線形の関係を表すことができるため、高い汎化性能を持ちます。
なお、名前に「回帰」とついてますが、分類タスクのみに使用されるので注意しましょう。
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークとは、人間の脳を模倣したモデルを用いた手法で、多層に渡って特徴量を処理し、目的変数を予測することができます。
このアルゴリズムは、非常に複雑な非線形の関係を表すことができるため、複雑な問題に対して高い処理性能を持ちます。
また、ニューラルネットワークは、大量のデータを高速に処理することができるため、画像認識や自然言語処理などの分野で多く活用されています。
なお、「ディープラーニング」のモデルには、このニューラルネットワークというアルゴリズムが活用されています。
本記事では、代表的なアルゴリズムについて3つのみ紹介しましたが、より詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
機械学習の分類タスクを習得する方法は?
最後に、機械学習の分類タスクを習得するため方法について紹介していきます。
- 書籍の活用
- プラットフォームの活用
- プログラミングスクールの活用
順番に解説していきます。
書籍の活用
書籍で機械学習の分類タスクを習得するメリットは、情報が体系的にまとめられているのに加えて、情報の質が高い場合が多いことにあります。
1冊の中でロードマップが示されており、基礎的な概念から実践的な内容まで、網羅的に理解できます。
また、目次から必要な情報を取得しやすいので、時間がない方にもぴったりな学習方法となっています。
辞書的な使い方もできるので、1冊は持っておくことをおすすめします。
プラットフォームの活用
プラットフォームから機械学習の分類タスクを学ぶことは、本を読むより分かりやすい場合が多いです。
多くのプラットフォームでは、実際のデータを使った課題などが用意されており、これらを通して実践的な内容が身につきやすいです。
- YouTube
- Webメディア
- コミュニティ
上記で紹介したプラットフォームは無料の場合も多く、最初の触りとしては十分すぐるくらい優秀なものとなっています。
また、「スタアカ」というプラットフォームは、月額980円という破格の値段で、機械学習について体系的に学習することができます。
値段をかけずに網羅的に機械学習について学びたい方は、ぜひ有効活用していきましょう。
プログラミングスクールの活用
やはり、本やプラットフォームで学習するといっても、わからないことがあれば自力で解決しなければなりません。
すぐに解決できれば良いのですが、機械学習やAIの分野はプログラミングでアルゴリズムを組んだりで、躓いたらなかなか解決しづらいです。
初学者が1時間かけて調べてもわからないことを、機械学習エンジニアの方が手をつけると30秒で解決することが往々にしてあります。
そのため、誰かに質問できる環境というプログラミングスクールは、非常に良いツールとなっています。
無料でも活用できるプログラミングスクールはあるので、有効活用していきましょう。
まとめ:機械学習で分類タスクを実装できるようになろう!
本記事では、機械学習での分類とは何かについて、画像付きでわかりやすく解説しました。
また、活用される場面についても触れ、分類タスクの可能性についても紹介しました。
日常やビジネスのあらゆる場面において、人間の役に立つ分野であり、これらの実装を習得できるようになると機械学習エンジニアという道がひらけてくるので、興味ある方は是非使いこなせるようになりましょう。