機械学習でできることは?活用事例から逆にできないことまで解説!

目次

そもそも機械学習とは?

機械学習とは?

機械学習とは、コンピュータを使ってデータを分析し、自動的に規則やパターンを学習する技術を指します。

人間が手動でプログラムを作成するのとは異なり、機械学習ではコンピュータに大量のデータを与え、それをもとに自動的に学習させます。

学習させたコンピュータは新しいデータを入力したときに、それまで学習した結果をもとに予測や分類などのタスクを実行することができます。

この技術はさまざまな分野で活用されており、日常生活からビジネスの現場まで、幅広く使用されています。

機械学習の種類

機械学習は以下の5つの種類に分けることができ、それぞれ特徴を持ちます。

機械学習の5つの種類
  1. 教師あり学習
  2. 教師なし学習
  3. 強化学習
  4. 深層強化学習
  5. 半教師あり学習

上記の種類によってできることは変わってきて、それぞれの特徴に合わせた学習があります。

なお、この5種類の学習方法については下記の記事にまとめてあるので、ぜひあわせてご覧ください。

機械学習とディープラーニングの関係性

機械学習とディープラーニングの関係性は、お互いは包含関係にあり、ディープラーニングは機械学習手法の1つの技術として存在しています。

つまり、機械学習にはさまざまな種類がありますが、その中の一つとして「ディープラーニング」が存在するというわけです。

AI(人工知能)/ 機械学習 / ディープラーニングの包含関係イメージ図
AI(人工知能)/ 機械学習 / ディープラーニングの包含関係イメージ図

なお、AI(人工知能)がこの関係性の大元であり、機械学習やディープラーニングはそれぞれAIの一部というわけです。

機械学習でできること

機械学習でできることについて、代表的なのを以下の5つ紹介していきます。

機械学習でできること
  1. 分類
  2. 回帰
  3. クラスタリング
  4. レコメンデーション
  5. 異常検知

順番に解説していきます。

分類

機械学習において分類とは、ある入力データに対してラベル付けを行い、事前に定められた複数クラスのいずれかに分類するタスクを指します。

分類は、2クラス分類や多クラス分類のように、複数のカテゴリーに区別するタスクがあります。

機械学習での分類のイメージ図
機械学習での分類のイメージ図

例えば、ある画像を「犬 or 猫」という2種類で分類する場合、入力データとして画像が与えられ、その画像が犬か猫かを学習するためのラベル(正解=教師)が付与されます。

そこから機械が学習することによって、「犬 or 猫」の判別ができるように、機械学習モデルが学習を行います。

回帰

機械学習において回帰とは、ある入力データから連続する値を予測するタスクを指します。

言い換えると、既知のデータから、未知のデータを予測するタスクにあたります。

機械学習での回帰のイメージ図
機械学習での回帰のイメージ図

例えば、ある土地の面積や建物の高さなどを入力データとして与え、その土地の家賃や建物の値段を予測するタスクは回帰分析であるといえます。

また、ある患者の年齢や血圧などを入力データとして与え、その患者が患う疾患の発症リスクを予測することも、回帰分析の例として挙げられます。

クラスタリング

機械学習においてクラスタリングとは、あるデータを自然に分けることで、似たようなものをまとめるタスクを指します。

クラスタリングは、教師なし学習の一種で、まずデータを「クラスタ」と呼ばれるグループに分けます。

そして、各クラスタ内のデータの類似性を最大化するように、データを分けるタスクを行います。

例えば、ある会社のセールスデータをクラスタリングする場合、その会社が販売している製品やサービスの種類、地域、顧客の属性などを考慮して、セールスデータをクラスタに分けることができます。

また、ある医療機関の患者データをクラスタリングする場合、患者の年齢や性別、病名などを考慮して、患者データをクラスタに分けることができます。

レコメンデーション

機械学習においてレコメンデーションとは、あるユーザーに対して、そのユーザーが興味を持つと思われるアイテムやコンテンツを提案するタスクを指します。

レコメンデーションは、ECサイトやアプリ、動画サービスなどでよく使われます。

このタスクでは、あるユーザーが過去に閲覧したアイテムやコンテンツ、そのユーザーが好んでいるジャンルやアーティストなどを「入力データ」として受け取り、そのユーザーが興味を持つと思われるアイテムやコンテンツを提案することができます。

また、ユーザーが欲しいものを見つけやすくすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。そして、似たようなアイテムやコンテンツをまとめることで、データの管理や分析がより容易になることもあります。

異常検知

機械学習において異常検知とは、あるデータが基準から外れていることを検出するタスクを指します。

このタスクは、あるシステムやプロセスが正常に動作しているかを監視するためによく使われます。

例えば、ある工場における製品の生産量を監視する場合、過去データをもとに生産量の上限下限を定め、その範囲内である場合は正常とし、それ以外は異常として検出することができます。

また、あるWebサイトのアクセスログを監視する場合、通常と比較して異常に多いアクセスがある際は、サイトのハッキングや不正アクセスの可能性があるとして検出することができます。

異常検知は、異常が発生したときに早期に対応できるようにするという、問題を未然に防ぐ役割を果たします。

機械学習が身の回りで活用されている事例

ここまでで、機械学習でできることについて専門的用語を踏まえた上で解説しました。

そこから応用的に考えて、「その機械学習は身の回りでどのように活用されているのか?」についてまとめていきます。

機械学習が身の回りで活用されている事例
  • 画像認識
  • 音声認識
  • 売上・需要予測
  • レコメンドシステム
  • スパム・不正検知

まだまだ活用されている事例は多くありますが、ざっくりと上記5つについて紹介していきます。

画像認識

画像認識は、機械学習でできることの分類タスクにあたり、画像の物体や人物を識別することができます。

画像認識が活用されている事例
  • スマホの顔認証システム
  • 空港での認証ゲート
  • 工場での不良品発見・業務効率化

上記のように、日頃の生活からビジネスの現場まで、幅広く活用されています。

まだまだ活用されている事例はあるので、興味ある方はより深く調べると面白いです。

音声認識

音声認識においても、機械学習でできることの分類タスクにあたり、その名の通り音声を認識することができます。

音声認識が活用されている事例
  • Siriなどの音声サポート機能
  • 動画の字幕作成
  • コールセンターの自動対応

今後技術が発展していけば、リアルタイムでの自動翻訳機能にも応用することが期待されています。

海外に行く際に、外国語が話せなくても会話が通じるので、画期的です。

Google社によるリアルタイムで翻訳するARグラスのコンセプト映像

売上・需要予測

実店舗や新しく店を立ち上げる際に、機械学習による売上・需要予測を行って、その店の利益に結びつくような指標を得ることができます。

その際は、過去のデータをもとに機械学習モデルを構築し、将来のデータを予測することができます。

例えば、アイス屋があるとして、気温と売り上げに相関関係があるとします。すると、回帰直線を引くことができ、その日の気温から大体の売上を予測することができます。

大体の売上を予測できれば、バイトの人数や仕入れの量などといった、利益に直結する指標を得ることができます。

レコメンドシステム

レコメンドシステムは、先ほど紹介したレコメンデーションのタスクにあたり、企業のマーケティング活動をより促進することにつながります。

レコメンドシステムが活用されている事例
  • Webサイトに訪れた時に表示されるバナー広告
  • インスタやYouTubeなどで表示される広告
  • ECサイトでおすすめされる商品
  • NetflixやABEMAでおすすめされる動画 / 映画 / ドラマ

ユーザー目線においても、興味を引くコンテンツを提案してくれるので、レコメンドシステムは非常に良い機能となっています。

スパム・不正検知

スパム・不正検知は、先ほど紹介した異常検知のタスクにあたり、スパムや不正行為の検知にも活用されています。

スパム・不正検知が活用されている事例
  • 迷惑メールの処理
  • クレジットカードの不正使用
  • 製造現場での不良品発見

上記のように、異常なパターンを示すようなデータを検出することができます。

今後機械学習でできることによって、期待されていること

機械学習はまだまだ発展途上の技術です。

ですが、伸びていくスピードはものすごく早く、今後さまざまなことに活用されていきます。

ここではそのような内容について深ぼっていきます。

単純作業の効率化

AIや機械学習における「単純作業の効率化」は部分的に実装されていますが、今後より発展していく見通しです。

単純作業が効率化されていく未来
  • コンビニ / スーパー / 雑貨店による無人レジシステム
  • AIロボットによる製造業の自動化 / 効率化
  • 自動運転による配達業務 / タクシー運転手が必要でない未来

ここの部分は「仕事が奪われる」といったように、悲観的に思われる方も多いですが、AIや機械学習が面倒な仕事を肩代わりしてくれると考えることもできます。

そして、人間の働く時間が減って、余剰時間が増えるという良い未来になっていきます。

さまざまなハードウェアに搭載される

本記事で紹介したARグラスのように、今後機械学習の技術はさまざまなハードウェアに搭載されていきます。

さまざまなハードウェアに搭載されていく未来
  • スマートデバイス:テレビ / レンジ / スピーカーなどにAI・機械学習が搭載
  • 自動運転技術が搭載された自動車
  • AI搭載のドローンによる警備システムや農業の効率化

上記のように、さまざまな形で実現可能でして、人々の生活を豊かにしていきます。

また、これらの技術やシステムを活かすことができる能力が求められる未来になっていくと感じます。

反対に機械学習でできないこと

最後に、機械学習でできないことを紹介して本記事を終了します。

機械学習ができないこと
  • データが少ない or 欠損している際の処理
  • ひらめきや直感が必要なタスク
  • 意思決定や指示が必要なタスク

機械学習は、データを使って自動的にタスクを学習する手法です。

そのため、データが少なかったり、そもそものデータが無い場合は有効的に働くことはありません。

また、人間が考えて生み出すようなクリエイティブ性やディレクション業務などは苦手なタスクとなっています。

まとめ:機械学習でできること、できないことを理解しよう

本記事では、機械学習でできることから活用事例、反対に機械学習でできないことまで解説しました。

簡単に振り返ると、

機械学習でできること
  1. 分類
  2. 回帰
  3. クラスタリング
  4. レコメンデーション
  5. 異常検知
機械学習が身の回りで活用されている事例
  • 画像認識
  • 音声認識
  • 売上・需要予測
  • レコメンドシステム
  • スパム・不正検知

機械学習によって、単純作業は効率化されていき、私たちの時間はどんどん増えていきます。

反対にいえば、単純作業しかできない人間は淘汰される世の中になるといっても過言ではないので、うまく機械学習を活用できる人間になっていきましょう。

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